映画日和、悩み日和

映画が好きな東京圏のサラリーマンです。映画や私生活に関することを半々くらいで書きたいと思います。ニューヨークを舞台にした映画が好きです。

「スポットライト」感想 ~カトリックの闇に触れる映画~

こんにちは。

イチローです。

 

本日紹介する作品はdtvで公開されていたので見た「スポットライト~世紀のスクープ~」です。

 

①作品紹介

監督はトーマス・マッカーシー、出演は「アベンジャーズ」や「アベンジャーズ」などに出ているマークラファロが出演しています。映画を見ていている時、なんかラファロっぽい人いるなー、けど髭ないなーと思っていましたがやはりマークラファロでした!そのほか「バードマン」のマイケルキートンなどが出演しています。そしてなんとアカデミー賞の作品賞と脚本賞を受賞しているということで期待高です。

 

②あらすじ

アメリカのボストンの日刊紙「ボストングローブ」は新しい編集長としてマーティ・バロンを迎えます。マイアミからやってきたバロンはとあるカトリック教会の神父が起こした性的虐待事件を掘り下げるように、ボストングローブのチームの1つである「スポットライト」チームに指示します。ボストングローブは読者の50%以上がカトリック信者であり、教会が起こした事件を深掘りするのに最初は戸惑いがありましたが、事件を追うにつれ衝撃の事実が明らかになっていきます。

 

 

 

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③感想

1.日本では直近ではない宗教観

日本では初詣などのシーズンイベントを除いて宗教があまり身近ではないですが、アメリカでは、カトリック信者はお年寄りや貧しい子供達は日常的に教会に行きます。そのようなアメリカ人にとっては非常に生活に溶け込んでいる教会において、神父さんが子供達に性的虐待を行うのですが、宗教が身近ではない日本人の私が見ても、「神父さんそんなことしては駄目でしょ」くらいにしか思いませんでしたが、信者の人たちはこのニュース、映画を見て私の何十倍もショックを受けたと思います。作中でも触れられていましたが、貧しい子供達にとっては教会というのはとても重要なコミュニティです。その重要なコミュニティのリーダー的存在である神父さんは、まさに神と言っても過言ではなく、神父さんに声を掛けてもらうことは子供達にとって非常に名誉なことだそうです。そのような存在である神父さんからの指示は、例え疑問を抱くような性的な指示であっても子供達は拒否することはできません。そして神父さんからの虐待に気付いた時にはまるで自分の世界が否定されたかのような状況に陥ってしまうとのことでした。言葉にするのは簡単ですが、その衝撃というのは幼い時から、教会や宗教が身近にあって培われた価値観を持つ人からするととてつもない衝撃なのでしょう。

 

2.淡々と展開するも、緊張感がある展開

映画自体は、ドキュメンタリーのような雰囲気で淡々と進んでいきますが、最後まで緊張感を持ってみることができました。音楽や登場人物達の表情が終盤に向かって徐々にシリアスになっていき、スキャンダルがどんどん重いものになっていくことがわかります。衝撃的な展開などはありませんが、気付いたらその雰囲気に引き込まれてしまいました。

 

3.ジャーナリストの信念

作中で、一刻もはやくスキャンダルを記事にしたい取材チームの一員であるマイクと、事件の全貌を暴くまでもう少し深掘りしたい編集長が衝突します。その時マイクは「虐待は今も起きているんだ!この事実を公表しないと、今被害に遭っている人達はどうなるんだ!」という旨の発言を編集長に投げかけます(間違っていたらごめんなさい)。この言葉には痺れました。ジャーナリズムの本質をつく言葉だと思います。しかし、虐待の事実を暴くだけでは教会のトップが謝罪するだけで終わってしまいます。大切なのはその虐待を産んだカトリック教会のシステムを暴き、再発防止することであると主張する編集長の意見も非常に良くわかり、非常に考えさせられました。

 

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 作中より    今すぐに記事にするべきだと主張し編集長と対立するマイク(演:マーク・ラファロ)

 

④まとめ

どんでん返しなどがある映画ではありませんが、日本にはない宗教観を見れたり非常に考えさせられる作品でした。そして何より被害者のために真実を暴こうとするジャーナリスト達の熱意がひしひしと伝わり、非常に胸が熱くなる作品でした。